カッラーラの白大理石は美しい石ですが、屋外での使用には注意が必要です。大理石は花崗岩より吸水率が高く、酸性雨や凍結に弱い性質があります。日本の気候、特に梅雨と冬の凍結を考えると、使える場所と使えない場所があります。この記事では、石工として実際に施工してきた経験から、カッラーラ大理石の屋外使用の条件をお伝えします。
大理石と花崗岩の性質の違い ¶
大理石は石灰岩が変成したもので、主成分は炭酸カルシウムです。花崗岩より柔らかく、吸水率が高い。酸性の液体(雨水、コーヒー、柑橘類の果汁)に触れると表面が溶けます。花崗岩はケイ酸塩鉱物が主成分で、酸に強く、吸水率が低い。屋外の通路や階段には花崗岩の方が適しています。大理石は、雨が直接当たらない場所での使用が基本です。
日本の気候で大理石を使える場所 ¶
東京・神奈川の気候では、雨が直接当たらない屋外空間であれば大理石を使えます。具体的には、屋根のある玄関ポーチの床、テラスの框石(雨水が流れ落ちる端部)、屋根付きの縁側まわりです。雨が直接当たる通路や階段には向きません。また、北向きで日当たりが悪い場所は、コケや藻が繁殖しやすいため避けます。
仕上げと表面処理の選択 ¶
屋外で大理石を使う場合、磨き仕上げは避けます。雨に濡れると滑りやすく、表面の光沢が早く失われます。バーナー仕上げか、ブラシ仕上げ(表面を細かいブラシで処理して粗くする)が適しています。表面に撥水剤を塗布することで、吸水率を下げることができます。ただし、撥水剤は2〜3年で効果が落ちるため、定期的な再塗布が必要です。
輸入材の産地確認の重要性 ¶
「カッラーラ大理石」として流通している石の中には、産地が異なるものが含まれることがあります。トルコやギリシャ産の白大理石も「カッラーラ風」として販売されることがあります。産地によって吸水率と硬度が異なります。Marble Cove Pathでは、カッラーラ採石場との直接取引を行い、産地証明書を施主にお渡ししています。石材を選ぶ際は、産地の確認を必ず行ってください。
施工後のメンテナンス ¶
屋外で使った大理石は、年に一度の清掃と撥水剤の確認が必要です。表面に黒ずみが出た場合は、中性洗剤と柔らかいブラシで洗います。酸性の洗剤は使わないでください。表面が溶けます。目地のひびは早めに補修します。水が入ると、凍結時に石が割れるリスクがあります。Marble Cove Pathでは施工後1年間の無償点検を行っており、この時期に撥水剤の状態も確認します。
カッラーラ大理石は、場所と仕上げを正しく選べば屋外でも長く使えます。使いたい場所の条件を確認したい方は、現地調査のご依頼からご連絡ください。